【結論】医師の診断書があれば、会社は休職を拒否できない
「医師から休職を勧められたのに、会社が認めてくれない」——このような状況に直面している方は、まず一つ安心してください。医師の診断書がある場合、会社が休職を一方的に拒否することは、法的に極めて困難です。
労働契約法第5条は、使用者に対して「労働者の生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする」義務(安全配慮義務)を課しています。医師が「就業困難」と診断しているにもかかわらず、休職を認めずに働かせ続けることは、この安全配慮義務に違反する可能性があります。
この記事は休職完全ガイドの関連記事です。休職の全体像を知りたい方は、まずガイド記事をご覧ください。
会社が休職を認めない主なパターンと対処法
会社が休職を認めない場合、いくつかのパターンがあります。それぞれの状況に応じた対処法を解説します。
パターン1:「就業規則に休職制度がない」と言われた場合
中小企業やベンチャー企業では、就業規則に休職制度が明記されていないケースがあります。しかし、休職制度がないことは、休めないことを意味しません。
対処法
- まず、就業規則の原本を確認させてもらう(労働基準法第106条により、従業員は閲覧する権利があります)
- 休職制度がなくても、有給休暇の取得や欠勤扱いでの休養は可能
- 医師の診断書を提出し、「安全配慮義務」の観点から休養の必要性を書面で伝える
- それでも対応されない場合は、労働基準監督署に相談する
パターン2:「忙しいから今は無理」と引き止められた場合
人手不足の職場では、「あなたが抜けると困る」「もう少し頑張れないか」と引き止められることがあります。このような場合、以下の点を理解しておくことが重要です。
| 法的な原則 | 業務の繁忙は、従業員の健康を犠牲にする正当な理由にはなりません |
| 安全配慮義務 | 医師の診断を無視して就業を強制した場合、会社側に損害賠償責任が生じる可能性があります |
| あなたの権利 | 診断書を提出した上で休職を申請する権利は、労働者として保護されています |
対処法としては、口頭ではなく書面(メール可)で休職の意思を伝えることが重要です。「○月○日付の診断書に基づき、○月○日から休職を申請いたします」という形で、記録が残る方法で伝えましょう。
パターン3:「産業医の判断が必要」と言われた場合
会社によっては、「主治医の診断書だけでは不十分で、産業医の面談が必要」と言われることがあります。これ自体は不当な要求ではありませんが、注意点があります。
産業医面談を求められた場合のポイント
- 産業医面談までの間も、体調が悪ければ欠勤する権利があります。面談を待つ間に無理して出勤する必要はありません
- 産業医面談は速やかに設定されるべきです。不当に長期間待たされる場合は、労働基準監督署に相談しましょう
- 産業医が「就業可能」と判断した場合でも、主治医の診断書と異なる場合は、主治医の意見を優先して再度交渉できます
パターン4:「退職を勧められた」場合
最も深刻なケースとして、休職を申し出たところ「退職してはどうか」と勧められることがあります。これは退職勧奨にあたり、応じる義務はありません。
重要:退職勧奨に応じる義務はありません。「休職を希望します」と明確に伝え、退職届には絶対にサインしないでください
退職勧奨が執拗に繰り返される場合は、パワーハラスメントに該当する可能性があります。やり取りの記録(日時、場所、発言内容)を残し、労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。
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休職を実現するための具体的なステップ
医師の診断書を取得する
心療内科または精神科を受診し、「就業困難」の旨が記載された診断書を取得します。診断書には、病名、休養が必要な期間、就業制限の内容を明記してもらいましょう。
書面で休職を申請する
診断書のコピーを添えて、人事部または直属の上司に書面(メール可)で休職を申請します。口頭だけでなく、記録が残る形で伝えることが重要です。
傷病手当金の申請準備をする
健康保険に加入している場合、休職中は傷病手当金(給与の約2/3)を最長1年6ヶ月受給できます。申請に必要な書類を確認し、早めに準備を始めましょう。
それでも認められない場合は外部に相談する
会社が正当な理由なく休職を認めない場合は、以下の外部機関に相談しましょう。
- 労働基準監督署:無料で相談可能。会社への指導・是正勧告を行う権限があります
- 総合労働相談コーナー:都道府県労働局に設置。あっせん(話し合いの仲介)を行います
- 弁護士(労働問題専門):法的措置が必要な場合に相談。初回無料の法律相談もあります
知っておくべき法的な根拠
| 法令 | 関連する権利・義務 |
| 労働契約法第5条 | 使用者の安全配慮義務。従業員の健康を守る義務 |
| 労働基準法第106条 | 就業規則の周知義務。従業員は閲覧する権利がある |
| 労働安全衛生法第66条の8 | 長時間労働者への医師の面接指導義務 |
| 健康保険法第99条 | 傷病手当金の受給権。休職中の経済的支援 |
休職中にやっておくべきこと
休職が認められたら、まずは療養に専念することが最優先です。しかし、体調が少し安定してきたら、以下のことも視野に入れておくとよいでしょう。
定期的な通院を継続する:主治医との信頼関係を維持し、回復の経過を記録してもらう
傷病手当金の申請を忘れない:毎月の申請が必要。主治医の証明欄の記入も忘れずに
リワークプログラムの利用を検討する:復職準備として、リワークプログラムの効果を確認してみましょう
まとめ:あなたの健康は、何よりも大切です
会社が休職を認めない状況は、心身ともに辛いものです。しかし、医師の診断書がある限り、あなたには休む権利があります。一人で抱え込まず、外部の相談機関を活用しながら、ご自身の健康を最優先に行動してください。
休職は「逃げ」ではありません。回復し、再び元気に働くための前向きな選択です。
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