【はじめに】リワーク体験談から学ぶ、復職成功のリアル
「リワークプログラムに通えば、本当に復職できるのだろうか」「自分と同じような状況の人は、どうやって復職したのだろう」——休職中の方がこうした疑問を持つのは、とても自然なことです。
この記事では、メンタル不調で休職し、リワーク支援を経て復職に成功した2つのケーススタディをご紹介します。それぞれの方が、どのような経緯で休職に至り、リワークプログラムでどのような変化を経験し、どのように復職を実現したのか——具体的なプロセスをお伝えします。
この記事はリワーク完全ガイドの関連記事です。リワークの全体像を知りたい方は、まずガイド記事をご覧ください。
※ プライバシー保護のため、個人を特定できる情報は変更しています。
ケース1:適応障害で休職したAさん(30代・男性・営業職)
休職に至るまでの経緯
Aさんは、大手メーカーの営業部門で5年間勤務していました。入社以来、常にトップクラスの成績を維持してきた「エース社員」でしたが、新しい上司が着任してから状況が一変します。
新しい上司は、細かい報告を頻繁に求め、些細なミスでも厳しく叱責するタイプでした。Aさんは「期待に応えなければ」と、これまで以上に仕事に打ち込みましたが、次第に以下のような症状が現れ始めました。
- 朝、会社に行こうとすると吐き気がする
- 日曜日の夕方から強い不安感に襲われる
- 夜中に何度も目が覚め、翌日の仕事のことを考えてしまう
- 食欲がなくなり、2ヶ月で5kg痩せた
- 趣味のフットサルに行く気力がなくなった
心療内科を受診したところ、適応障害と診断され、3ヶ月の休職を勧められました。「自分が休職するなんて」という思いがありましたが、身体が限界を訴えていることは自分でも感じていたため、休職を決断しました。
リワークプログラムでの変化
休職から2ヶ月後、主治医の勧めでリワーク支援を開始しました。最初は「こんなところに通って意味があるのか」と半信半疑でしたが、プログラムを通じて大きな変化を経験します。
変化1:「完璧主義」への気づき
認知行動療法のプログラムで、自分が「完璧でなければ価値がない」という思考パターンに囚われていたことに気づきました。「100点を目指すのではなく、70点で十分」という考え方を学び、少しずつ自分を許せるようになりました。
変化2:ストレスへの対処法を習得
以前は、ストレスを感じても「気合いで乗り越える」しか方法を知りませんでした。プログラムを通じて、呼吸法、マインドフルネス、適切な相談の仕方など、具体的なストレス対処法を身につけることができました。
変化3:「助けを求める力」の獲得
グループワークで他の参加者と交流する中で、「困った時に助けを求めることは弱さではない」と実感できました。これは、復職後の職場でも大きな武器になっています。
復職とその後
約4ヶ月のリワークプログラムを経て、Aさんは職場に復帰しました。復職にあたっては、以下の調整を行いました。
| 勤務時間 | 最初の1ヶ月は時短勤務(6時間)、その後段階的にフルタイムへ |
| 業務内容 | 負荷の軽い内勤業務からスタートし、徐々に営業活動を再開 |
| 定期面談 | 月1回の産業医面談と、リワーク支援機関との定着支援面談を継続 |
復職から1年が経過した現在、Aさんは安定して勤務を続けています。「以前の自分なら、無理をして体を壊していたと思う。リワークで学んだ『自分の限界を知り、適切に対処する』スキルが、今の自分を支えている」と語っています。
ケース2:うつ病で休職したBさん(40代・女性・事務職)
休職に至るまでの経緯
Bさんは、中堅企業の総務部で15年間勤務していました。部署のベテランとして後輩の指導も担当し、周囲からの信頼も厚い存在でした。しかし、会社の組織再編により業務量が急増。さらに、家庭では介護の問題も重なり、心身ともに追い詰められていきました。
最初は「疲れているだけ」と思っていましたが、次第に以下のような症状が顕著になりました。
- 朝起き上がれず、布団の中で泣いてしまう
- 集中力が著しく低下し、簡単な書類作成にも時間がかかる
- 「自分がいなくても誰も困らない」という考えが頭から離れない
- 休日も何もする気力がなく、一日中横になっている
精神科を受診したところ、中等度のうつ病と診断されました。Bさんは「15年間休まず働いてきたのに」という悔しさと、「もう自分はダメなのではないか」という絶望感を抱えながら、6ヶ月の休職に入りました。
リワークプログラムでの変化
休職から3ヶ月後、薬物療法で症状がある程度安定してきた段階で、リワークプログラムへの参加を開始しました。
最初の壁:「通所すること自体が辛い」
最初の2週間は、通所すること自体が大きな挑戦でした。「こんな状態で行っても意味がない」「他の人に迷惑をかけるのではないか」という不安がありましたが、スタッフの「まずは来るだけでいいですよ」という言葉に支えられ、週2日の通所から始めました。
転機:「自分だけじゃなかった」
グループワークで他の参加者の話を聞く中で、「自分と同じように苦しんでいる人がいる」「自分だけが弱いわけではない」と感じられるようになりました。この気づきが、回復の大きな転機となりました。
成長:「断る勇気」を学ぶ
Bさんの休職の背景には、「頼まれたことは断れない」「自分が我慢すればいい」という思考パターンがありました。アサーション・トレーニングを通じて、「自分の限界を伝えることは、相手への誠実さでもある」と理解できるようになりました。
復職とその後
約5ヶ月のリワークプログラムを経て、Bさんは職場に復帰しました。復職にあたっては、人事部と相談し、業務量の調整と役割の見直しを行いました。
復職から半年が経過した現在、Bさんは以前とは異なる働き方を実践しています。「以前は『全部自分でやらなければ』と思っていたけれど、今は『チームで分担する』ことの大切さがわかった。リワークで学んだことは、仕事だけでなく、家庭での介護の場面でも役立っている」と話しています。
2つの体験談から見える、復職成功の共通点
AさんとBさんの体験談には、復職成功に至る3つの共通点があります。
自分の思考パターンに気づけた:完璧主義、自己犠牲的な考え方など、休職に至った根本原因を理解できた
具体的な対処スキルを身につけた:ストレス対処法、コミュニケーションスキルなど、実践的なスキルを習得した
段階的に復職できた:いきなりフルタイムではなく、段階的に負荷を上げていく復職プランを実行した
まとめ:あなたの復職ストーリーは、ここから始まる
AさんもBさんも、休職した当初は「自分が復職できるとは思えなかった」と振り返っています。しかし、リワークプログラムを通じて、一歩ずつ回復の階段を上り、最終的に安定した復職を実現しました。
大切なのは、「今すぐ完璧に回復しなければ」と焦らないことです。回復には時間がかかりますし、その道のりは一直線ではありません。良い日もあれば、辛い日もあります。それでも、適切な支援を受けながら一歩ずつ進んでいけば、必ず前に進める——2人の体験談は、そのことを教えてくれています。
🌿 復職への第一歩を踏み出しませんか?
COCOCARAでは、メンタル不調からの復職を専門的にサポートしています。まずは簡易診断で今の状態を確認してみましょう。

